uncleyieのア・デイ・イン・ザ・ライフ
趣味を中心に人生の日々を綴ります。時にはボヤくこともあります。
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ジョン・レノンを聴く・・・・・『ジョンの魂』
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 あれは1980年の12月9日だった。当時、20代の若者だった私は、連日の残業で疲弊し、その日もどうにか仕事を終えて帰宅の途についた。既に時計は午後11時を廻っていた。それで、ようやく帰りの電車に乗り込み忘年会帰りの親父達で埋め尽くされた車中で、何気なく前の男性の読んでいる新聞の記事に目がいった。そして、その瞬間「ぎょっ!」とした。新聞の見出しの記事を見ると「ジョン・レノン死去」・・・・・。何ということか・・・・・私は新聞を読んでいる男性の肩越しに、その記事を盗み見するように目を凝らした。・・・・ジョン・レノンがニューヨークの自宅のアパート入り口で、ファンという男から射殺されたという。

 翌日の新聞で詳細を知った。ジョン・レノンは12月8日午後10時50分、ニューヨークの自宅のあるダコタ・ハウス前で、ビートルズのファンであるハワイ・ホノルル出身のマーク・チャップマンという25歳の男から4発の弾丸を受け、大量出血による失血症ショックで午後11時過ぎに病院で亡くなったという。享年40歳であった。

 思えば最初にビートルズを聴いたのは何時頃であったろうか・・・。確たる記憶はないのだが、1964年だったと思う。当時、小学生だった私であるが、洋楽好きの中学生になる姉がいた。あの頃の姉は、日本の流行歌が嫌いで、ラジオで洋楽ばかり聴いていた。その頃の姉は鼻歌まじりにウェスト・サイド物語の挿入曲『トゥナイト』をよく歌っていた。でもベンチャーズのようなエレキバンドの曲は嫌いだった。それが、ある日、友達から借りてきたドーナツ盤を電蓄で聴いていた。

 それは姉の嫌いなエレキの曲だった。いったいどうしたというのだろうか・・・喧しい曲なのである。すると姉は「この歌いいやろ」と私に尋ねるのであった。その曲こそビートルズの『抱きしめたい(I Want To Hold Your Hand)』だった。B面は『This Boy』。

 珍しい曲を聴いていると思ったら、翌日は別の曲を聴いていた。それは『She Loves You』で、さらに一週間ほど後、今度は2枚のシングル盤レコードを借りてきて聴いていた。曲は何れもビートルズで、『From Me To You』『I Saw Her Standig There』『Money』『Please Mr. Postman』etc・・・・・。そして、その頃から明けても暮れてもビートルズ、ビートルズ・・・・。私は毎日、毎日、ビートルズを聴かされるので、いやが上にも曲を覚えてしまったのである。

 ビートルズは1962年にイギリスでデビューしていたのだが、アメリカや日本では、火がつくのが1年ほど遅れていたのである。だから、1964年になって人気に火がつくや、既に本国イギリスで発売済みの曲が日本では一挙に発売されたから、こんな風になってしまったのだろう。

 こんな調子で私はビートルズと係わり合いを持つことになるのであるが、当初、そんなに好きではなかった。でも聴いている間に、ビートルズはどんどんと変化していくのである。最初の頃は、単なるアイドルグループの域でしかなかったのに、翌年には『Yesterday』『In My Life』等の名曲が世に出るし、1966年に来日すると、突然、コンサート活動はやらないと言い出した。

 1967年からはレコード製作だけになり、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』というロック史上に残る大傑作を生むこととなる。既に、この頃には私はビートルズに夢中になっていて、小遣いを貯めては、ビートルズのアルバム゜を買っていたのである。

 ビートルズは1970年4月に解散を発表して、『Let It Be』を発売するのであるが、この曲が何ともむなしく聴こえていたのが、ついこの前のような気がする。

 今となっては、ビートルズをリアルタイムで聴いていた世代は、全て50歳以上になってしまったであろう。だから、今時、ビートルズがどれだけ凄いグループであったことを力説しても、あまり意味が無いと思う。つまり比肩するべき存在が皆無のスーパーグループということになる。空前絶後と言ってもいいかもしれない。その後も暫くポップスを聴いていたけども、総合点においてビートルズを超える音楽アーティスト及びミュージシャンは今日まで現れていないだろう。プロとして僅か実働8年にしか過ぎないのに、世界の音楽シーンを一新した革命的グループだったといえば、判るだろうか・・・・。これはビートルズをリアルタイムで体現した者にしか判らないとは思うが・・・・。ローリング・ストーンズのように、今でもグループを解散せず、続けているところもある。よくもまあ、あまりデビュー当時から変わらない音楽性を持続しているなあとは思うが・・・。一言でビートルズの何処が凄いかというと、彼等はデビューから解散するまで、同じ所に留まらず、絶えず変わり続けた、進化し続けたグループであったということである。だから凄いのである。それに新しいことを次から次へと試みたし、ただのロックグループという範疇からはみ出してしまい、一つの音楽ジャンルに括れるような器ではなかった。

 ビートルズ以外にも素晴らしい音楽アーチストはいたが、それぞれがギターテクニックが上手いだとか、歌が上手いとか、歌詞が良いとか、一曲だけ素晴らしいとか、そのあたりのレベルで語られることが多かった。だがビートルズは自ら曲を作り、その大半の曲が素晴らしく、その後の音楽界に与えた影響は多大である。世界中のアーチストにカバーされ、そのレコーディング曲は数1000曲とも言われる。

 さて、長々とビートルズの説明に費やしてしまったのであるが、1970年の春ににビートルズが解散して、その年の秋に、ビートルズのリーダーだったジョン・レノンが、初のソロアルバムを出した。それが『ジョンの魂』である。

 アルバムの中の曲は『マザー』『ホールド・オン』『悟り』『労働者階級の英雄』『孤独』『思い出すんだ』『Love』『ウェル・ウェル・ウェル』『Look At Me』『God』『母の死』と11曲である。

 このアルバムが発売されると、私はすぐに買い求めた。そして、聴きまくった。でも、その後、友人に貸し出して返ってこなくなった。あの時のレコード盤は誰の手に・・・・・。仕方なく、今はCDしか手元にないが、赤い透明の盤で気に入っていたのだが・・・。

 最初の曲『マザー』の冒頭が衝撃的だった。鐘が鳴り、いきなりジョン・レノンがシャウトする。
Mother,you had me but I never had you
I wanted you but you didn't want me so I got tell you
Goodbye Goodbye
お母さん 僕はあなたのものではなかった
僕はあなたが欲しかったのに
あなたは僕を欲しがらなかった
だから僕はお別れを言わないといけない
さようなら さようなら

 母を早く亡くしたジョン・レノンの心境を良く現していて、マザコンの気はあるが、純粋な少年の気持ちを持ち続けたという意味では、この曲は新鮮であった。その他『Love』なんて他のアーチストがカバーしている曲もあるが、このアルバムで、最も印象的で象徴的だったのが、『God』という曲である。ジョン・レノンは曲の中で次のように歌っている。

I don't believe in Bible
I don't believe in Hitler
I don't believe in Jesus
I don't beileve in Kennedy
I don't believe in Buddha
I don't believe in Elvis
I don't believe in Zimmerman
I don't believe in Beatles
I just beileve in Me
Yoko and Me
私は聖書を信じない ヒトラーを信じない
キリストを信じない ケネディを信じない
釈迦を信じない プレスリーを信じない
ボブ・ディランを信じない 
ビートルズを信じない
信じるのはヨーコと自分だけだ
 
 何という強烈な歌詞であろうか。最後にはビートルズまで信じないと歌い。信じられるのは自分と小野洋子だけだという。

 ビートルズとは、ジョン・レノンにとっていったい何だったのだろうか。あれは夢だったとも言っている。この曲が世に出たのは、ビートルズ解散から半年後のことなので、ジョン・レノンの当時の胸のうちが手にとって判る様である。また、当時、ジョン・レノンは別の曲(ハウ・ドゥ・ユー・スリープ)に、如何にもポール・マッカートニーを皮肉るような歌詞をつけている。昔の『イエスタデイ』は素晴らしいが、今の『アナザー・デイ』は何だといわんばかりの内容だった。

 この当時、こういった曲を聴いて、2度とビートルズの再結成は有り得ないと思ったものである。ビートルズは4人組ではあるが、実際にはジョン・レノンとポール・マッカートニーの2人の才能が結束した2人組といっても不思議ではない。それほど、あの2人の才能はずば抜けていた。結局は、ジョンとポールの確執が噂され、噂が現実となって解散してしまった。だから若い人が好きな『Let it be』なんていう曲は、私は嫌いなのである。なんか風前の灯火のように聴こえてしまうから好きになれないのだ。



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