uncleyieのア・デイ・イン・ザ・ライフ
趣味を中心に人生の日々を綴ります。時にはボヤくこともあります。
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ロック・アルバムを聴く・・・・・キング・クリムゾン『クリムゾン・キングの宮殿』
伝説のアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』
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 私は少年の頃(主に中学、高校時代)、ロックに狂っていた。私の中学当時といえば、まだビートルズは現役だったし、ローリング・ストーンズも人気があった。そんな1960年代末期、ロックが変わろうともしていた。そんな過渡期に一枚のアルバムがリリースされたのである。それがキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』である。キング・クリムゾン(King Crimson)は1968年に結成されたイギリスのグループで、当時のメンバーはロバート・フリップ、グレッグ・レイク、イアン・マクドナルド、マイケル・ジャイルス、ピーター・シンフィールド(作詞で参加)であった。

 その彼等が最初に出したアルバムが、この『クリムゾン・キングの宮殿』である。私はラジオで、このアルバムの何曲かを聴き、これは新しいスタイルのロックだと思い、親に小遣いを前借して急いで買いに行った覚えがある。まず、アルバムのジャケットから斬新で、大きな口を開けた男が斜視していて、ジャケットに文字は無い。これは何と変わったデザインだろうと思ったものだ。この絵は画家のバリー・ゴッドバンという人が描いたとされ、統合失調症患者が幻聴に「死ね」「誰かを傷つけろ」と命令されて苦しむ様を表しているということで、精神病患者側から表現した音楽なのかと、自分なりに解釈して当時、このアルバムを何度か聴いたものである。

 曲は全5曲、『21世紀の精神異常者』『風に語りて』『エピタフ』『ムーンチャイルド』『クリムゾン・キングの宮殿』からなる。冒頭の『21世紀の精神異常者』は騒動しい曲である。頭から激しいドラムスの連打とギター、キーボートが唸る。そして支離滅裂な不協和音、まさに精神が病んでいるような類の音楽である。ところが、喧しいのはこの曲でけで、2曲目からはキング・クリムゾンの真骨頂。クラシック、ジャズの要素を取り入れて新しいプログレッシブ・ロックの扉を開いたといわれる彼等だけに、何ともいえぬムーディーな空間に誘ってくれる曲が続く。このグループ以前にもムーディー・ブルース、ピンク・フロイド等、同じイギリスから出てきたプログレッシブ・グループはいたが、この『クリムゾン・キングの宮殿』ほどのインパクトはなかった。

 メロトロン(エレクトロニクスを駆使したオルガン)、フルートを巧みに使った幻想的、瞑想的なサウンドが繰りひろげれ、ピーター・シンフィールドの詩も哲学的で、厭世観、無常観を如実に物語っているような気がする。3曲目の『エピタフ(墓碑銘)』から詩を抜粋するとする・・・・・・・予言者が書き記した壁が ひび割れを 崩れて行く 死をもたらす道具に反射して 日の光がきらめく 夢と悪夢と だれもが我を見失い 勝利の栄冠をかぶる者もいない 静寂が絶叫を飲み込む時 幾多の運命の鉄門の門 時代の種はまかれ 世事に通じ 名を成した人々の 偉業により水を与えられる 掟を定める者もいないから 知識は命取りとなりかねない 人類の運命は愚か者どもの手に 握られているように見えるのだが 或いは僕の墓碑銘となろう ひび割れた道をはって進む 成功を収めれば笑っていられる だが 明日への恐れのため 僕は叫び続けるだろう やはり 明日への恐れのために 僕は叫び続けるだろう

 キング・クリムゾンは、このデビュー・アルバムで一躍ブレークした。このアルバムが発売されたのは1969年10月10日で、ビートルズのアルバム『アビイ・ロード』を1位から蹴落としたアルバムとして紹介されたこともある(デマという説も)。とにかく当時から、話題の多いアルバムであり、数多いロックのアルバムの中でも傑作と謳われ、プログレッシブ・ロックのまさに金字塔となった。

 なお、キング・クリムゾンは、その後もメンバーを何度か代え、今でも存在するグループである。ただ、今ではどんな音楽性を追求しているのか、私は皆目、知らないが・・・・・・。

"Epitaph"を演奏するKing Crimson