でも戦後に作られた、この『巴里の空の下セーヌは流れる』は、彼の作品の中ではあまり評価されなくて、どちらかというと内容よりも、その主題曲である『パリの空の下』があまりにも有名である。アコーディオンを弾きながらジャン・ブルトニエールが唄う主題歌が一人歩きし、シャンソンとしても唄われるようになった。そのせいかパリというとアコーディオンが似合う街というイメージがある。 Pres de Norte Dame Parfois couve un drame Oui mais a Paname Tout peut s'arranger Quelques rayons L'accordeon D'un marinier L'espoir fleurit Au ciel de Paris Sous le ciel de Paris Coule un fleuve joyeux Hom Hum
だからこの映画の挿入歌『時の過ぎ行くまま(As Time Goes By)』が良いとか、反ナチスを訴えている映画だとか、政治風刺が効いているとか蘊蓄をたれても意味が無い。とにかく後から何でも製作時に付け加えられた映画なのである。つまり映画というものは、最初から一流の脚本家が書いて、巨匠監督が演出して、人気俳優や名優が演じてもけして上出来の映画が作れるというものでもない。この『カサブランカ』は偶然の産物なのである。ぶっつけで映画を撮り始めて、どうにか完成までこぎつけたら、最高のラブ・ストーリーだといわれたという。結局、怪我の功名だったのだというと、監督や脚本家、出演者に失礼だろうか・・・・・・。